「全部だ…」
ん?
今、『全部』と言ったのか?
それはどういうことだ?
ひょっとして怖気づいて、ここにあるパンティーの全てを選ばないとでも言うのかな?
「何を勘違いしてやがるんだ。俺は全部を選ぶと言ったんだ。当然、全てのパンティーを被らせてもらうぜ」
偽物のパンティーを選んでしまったら、毛髪や頭皮と一体化して一生外れなくなるんだぞ!
今、この場だけでのことではない!
電車やバスで家に帰る時はもちろん、家に帰ってからも学校へ出かける時もだ!
いや、それだけではない!
生涯、お前はパンティーを被ったまま生活を続けることになるんだぞ!
「ああ、もちろん承知の上だぜ。愛するパンティーを一生被り続けたままいられるなんて、この上ないほどの幸福なことだ」
ば…馬鹿な!?
お前の将来のことを考えてみろ!
就職活動する時も、仕事する時も、友達と遊んだり恋人とデートする時だって、
お前はパンティーを被り続けているんだぞ!
冠婚葬祭のフォーマルな場であっても、パンティーの呪いから解き放たれることはない!
当然、老いてもなお、貴様の頭には一体化したパンティーがあり続ける!
パンティーの呪いから解放されるのは、火葬される時になってからのことだ!
五枚全てのパンティーを被ることに、迷いはないのか!?
「いや、迷いはあるぜ。五枚あるパンティーをどの順番で被るかはまだ決まっていない。頭皮と密着する一枚目と、外観を担う五枚目が肝心となりそうだが、いったいどの順番が最適となるのやら…」
く、狂ってやがる…
「ふたり鷹」に登場する脇役でヘルメットの上からパンティー被るヤツ、主人公の母親が根負けして履いてたのあげたら嬉しそうに被ってかえったアイツ、なんて名前だったっけ?