2020-12-03

無題

特定が怖いので虚構織り交ぜつつ話します。

私は10年程前、同じクラスのAくんに虐められていました。

物を隠されたり遊びと称して一方的な殴り合いをしたり、時には万引き強要されたりもしました。

とにかく毎日学校へ行くのが嫌で仕方なかったのですが、親に相談する事もできず

ただただ今日は昨日より酷くならない事を祈りながら登校する毎日でした。

そんなある日、Aくんが大怪我をしてしまい、長い間入院する事になったのです。

クラスの中心人物でもあった彼に同情する声は多く、みんなで寄せ書きを書いて励まそうという話になりました。

みんなそれぞれ「頑張ってね」「早く元気になってね」など励ましの言葉を書き連ねて行く中

とうとう私の番になったのですが、何も思いつく言葉がありません。

仕方なく自分の番は飛ばして貰って他の人に書いて貰いましたが、数日経っても私だけは何も書けずにいました。

流石にしびれを切らしたのか、学級会で寄せ書きが完成しない話が議題に上がり

当然私に矛先が向きました。

クラスから非難され、「嘘でも一言書くだけでいいじゃん」と言われましたが、意地でも書きたくなかったのです。

最終的には代筆という形で他の誰かが書くことになりましたが、私は未だに納得がいっていません。

憎い相手に対し、必ずしも同情しなければならないのでしょうか?

どうしても同情できないのであれば、嘘の言葉を述べなければならないのでしょうか?

その謎を解明するため、我々調査隊はアマゾンの奥地へと向かった───。

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