「ただしイケメンに限る」という言葉があるのは知ってはいけるけれど、どういった人がここに当てはまるのか全然わからなくなってしまった.昔は男の私から見ても「この人はイケメンだ」とか「綺麗な顔立ちだなぁ」というのが、もっとはっきりわかったような気がするのだけれど、最近はそういうのがまったくわからなくなりつつある。歳を取るとこういうことに鈍感になるのだろうか。
もちろん全員が同じ顔に見えるわけではない。それぞれ個性的な顔をしていると思うし、加齢によって顔が変化することもわかる。しかし、イケメンといわれるような人の顔を見ても、それがその辺りを歩いている同年代の男性とそこまでかっこよさに違いがあるようには見えない。どちらもそれなりにいい顔をしているとは思うが、どちらか一方が圧倒的にかっこいいと感じることがない。
かっこよさを感じなくなると同時に、ブサイクさも感じなくなりつつあるので、つまり全男性の顔が個性的ではあるがそこまで整っているわけでも崩れているわけでもない、普通の男性の顔にしか見えなくなっているのだと思う。
と、数年前から思っていたのだが、だんだんこれが男性だけではなく女性に対しても感じるようになってきてしまった。可愛いというのはまだ感じ取れていると思うのだが、美人というのについてはどんどんわからなくなってきている。美人といわれるような人の顔を見ても、整った顔立ちだとは思うのだが、それがその辺りを歩いている同年代で化粧をした女性の顔と、そこまで美しさというか整い度合いに違いがあるようには見えない。
もしかしたら、私が男性であるがゆえに、明らかにブサイクな状態の女性というのに遭遇しないだけなのかもしれない。しかしそれでも、昔はもっと美人やブサイクというものに敏感だった気がするのだ。「あの人美人だよね」と言われたときに、もっと共感できる部分があった気がするのだ。
ただそれでも私の妹だけは世界一可愛い。これは間違いない。街行く人やテレビに映る女性を見ていてつくづく思うのだ、間違いなく妹は可愛い。