馬の口につけて引く綱。
だいたい、現代に生きる平均的な市民である私は、乗馬をする機会などほとんどなく、ファンタジーや時代小説で馬術に関する用語が出てくるたびに辞書を引かねばならない。同様の理屈で、船舶に関する語彙についても無知であり、これが外国語にもなるとどうしようもない。「朝びらき丸 東の海へ」の原文に挑戦したときにも、児童書なのでそれほど難解な言葉が出ているはずもないのに、困惑した。
ちなみに、この言葉が出てきたのは興亡の世界史シリーズの「アレクサンドロスの征服と神話」である。マケドニアでは、敵を一人も殺したことのない者は馬の端綱を帯とする屈辱を受けねばならなかった。当時のマケドニアはきわめて軍国主義的な国家であった。