遠い昔、あなたは、「×××」であることを望まれていて、それに足るだけの能力もあった。
だからあなたは、近い将来 「×××」になることを確信していた。
しかし、運だろうか縁だろうか 実力だろうか あなたは「×××」にならなかった。
おおよそ「×××」らしくない私。
それに足るだけの実力があるようにも見えない。
【おまえを「×××」だと思ったことはない】と、嘲るようにあなたは言う。
賢いあなたなら分かっていただろう。
いくらあなたが、昔に「×××」に近い人間であろうとも、世間は決してあなたを「×××」とは見ないことを。
それでもあなたは私に言った。嘲るように、馬鹿にするように言った。
あなたは知っているだろうか。
未だ過去にとらわれた あなたの心が痛ましく 耐え難かったがために、生まれていることを
あなたは知っているだろうか。
囚われたあなたの心を未だ締め付ける 錆びた刃物であったことを
痛ましさは怒りの情感に似ていた。怒りは発火し、みなのこころを燃やしていた。
「×××」とは、あなたが考えるよりも価値がないことを 「×××」でない人生を望まないあなたは気付かない
その知性でもっても届かない
穏やかな笑みに覆われたコンプレックスは、見下せる機会を見つければ吹き上がる
私に言えることは何もない あなたがその事に気付くまで
祈ることだけが 私にできる全てだと 認めることも痛ましい
私にできることは何もない それに価値があると
囚われたあなたを見ることが
ただ悲しい