2019-11-08

昔、ゲイに迫られた

学生の時住んでた部屋は、風呂トイレ台所共通メシ付きの寮のようなところだった。

当時ですら古式ゆかしい形式で、応募者が少ないゆえに対象が広かった。

隣部屋は学生ではなく、どこかの会社社員寮扱いのようだった。

もう秋も終わろうかという頃、おっさん挨拶に来た。

1週間ほど滞在するという。少し立ち話したあと、互いの部屋に戻った。

数日後の夜、おっさんが訪ねてきた。

風呂上りで腰にバスタオルを巻いた姿で。

やはり少しだけ立ち話をして、少しだけ無言になったあと、部屋に戻っていった。

そのときは分からなかったが、数年後に気が付いた。

筋骨隆々とした肉体にタオル一枚、ほんのり汗を滲ませ、意味ありげな無言の目線

ぞわぞわっ、と来た。

品定め、だったのか。

興味があるのか、確かめたかったのか。

狙われた恐怖、襲われなかった安堵、何故こんなことがという疑問、頭の中をぐるぐるしてた。

 

その時からゲイがやや嫌いになった。

自制心を持っててくれて良かったけどさ。

それから、女ってスゲーなと思った。

肉体的優位な男に言い寄られるって超こわい。

そういうの日々上手に受け流してんだなー、と。

おわり。

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