2019-10-04

お父さん、何も言えなかった

実家から強引に連れてきてごめんね。

もう、ステージ4のガン、余命よくて半年とは。

病院に着いた時には、いくら呼び掛けても、一度も目を開けず、激しい息しかしてなった。

よーい、お父さん。

大声で呼び掛けても、もう目は開かなかったね。でも、聞こえてたんじゃないか

俺に言いたいことあったんだろうな。

俺も言いたいことあったよ。

酒中心の人生で、よかったと思うよ。最後まで姉ちゃん家で、焼酎飲めたもんね。たばこも吸った。

俺が最後に話したのは、車で別れ際に、じゃあね、だった

これで最後と思って、お父さんと最後の会話をするなんか、できない。

もし、病院で、これが最後ですよ、とお医者さんから言われ、お父さんも意識があれば、最後の話ができたかもしれない。

でも、そんなことほとんど無いと思う。

だったら、話せるうちに、最後の会話をすればよかった、とは思えない。

お父さん、もしかたらこれで最後になるかもしれんから最後の話、しようや。って言えるか?

もし、お父さんのほうから、俺はもう長くないから、最後の話をしようや、と言われたら。

でも、お父さんは、孫やひ孫の節目を目指して、自ら断念するようなことは言い出させない。たとえ分かってても。迷惑は掛けたくないと思う。

言いたかたこと。ありがとうね。

無意識に学んだことが意外と多くて、今頃気付くよ。

まあ、本当に俺のことを心配してくれる人は、この世からいなくなったけど、

の子どもが、多少心配してくれるかなあ?

おとうさん。最後の言葉を聞きたかったけど、聞けなかったから、もういろいろ考えないようにするよ。

最後に。お父さん、なんか、悪かったね。ごめんね。まあ、いづれ、俺も行くから。そん時ね。

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