夫婦の終末というのは、「喧嘩が絶えず、感情に任せて署名と押印してしまう」ような勢いのあるものだと思っていたが、実際はそうでもないらしい。
結婚がタイミングだと言うのなら、離婚もタイミングである。盛り上がった時期を逃すと、それを続けているのも辛く、気を許すと日常に戻りかけてしまう。
もう家族としての発展が見込めないから、離婚をしようと言い出すわけなのに、どういうことなんだろう。気付けば今日あったことをお互いに話し合ったりしている。
我々は順調に喧嘩の回数を増やし、ヒートアップさせ、別居もし、別居も2年目になり、ここに来て今後についての話し合いを進められるようになった。
だが、誰しもちょうど良い距離感というのがあって、我々はこの電話で週に数回話すだけの距離がちょうど良いらしい。決して夫婦の距離感ではないが、ここに来て、更に遠くへ離れることに躊躇しているのだ。
これ以上引き離すには、第三者が割って入るしかない(別の新しい引力)が、それもしばらくは無さそうだ。
離婚の話し合いほど、日常のエネルギーを無駄に食うものはないだろう。この人しか居ないと惹かれあった仲なのに、一緒に住めない二人だったなんて、不幸である。