同い年の子は、社会人の経験がないのに、それはもう仕事がよくできる。落ち着いているし、なによりコミュニケーションを円滑に進める、わたしにはない「なにか」をもっていて、職場の人ともよくなじんでいる。よく、彼女が他の人から褒められているのを耳にもする。
去年半年、この仕事を経験してきたくせに、忙しすぎてまったくいろんなことに手が回っていないし、元来コミュニケーションが下手くそなので、職場の人たちともうまくなじめていないのだった。
わたしには何もなかった。
気づくのが少し遅かったな、と思う。
3月まで働いていた職場を去る時、そこのみなさんは、わたしの仕事を口々に褒めてくれた。その前にお世話になった職場もそうだった。
本当のわたしは仕事がひどくできなくて、人間関係を築くのもへただということを、周りの優しさにしばし浸からせていただいているうちに、忘れてしまったらしい。
愚かしいことだな、と思う。
きょう、スーパーでたまたま、以前働いていた職場の方にお会いした。
その人があいも変わらずわたしを優しく褒め、優しく挨拶をして去って行くものだから、思わず泣いてしまいそうになった。
ごめんなさい、それは気のせいだったんです、と、訂正したくなってしまう罪悪感で、胸ががちゃがちゃと引っ掻かれていくのがわかった。
うまく生きられるかもなんて気のせいだった。
少しは生きるのがうまくなったかもなんて気のせいだった。
やっぱり、ぜんぶ気のせいだった。
五月病ですね アホくさ