2018-04-11

ドクターペッパー彼女

遠距離恋愛彼女とひとしきりイチャイチャして一眠りついたのだけれど1時間そこらで目が覚める。のどが渇いた。小銭入れを持って出張先のビジネスホテルの部屋から自販機に向かう。自販機お金を入れようと小銭入れを見る、中には120円。うおい、10円足りねえ。飲み物は諦めて寝ようかな、と思うけれど、ふと自販機の中のドクターペッパーが目に止まってしまう。なぜかひどく魅了される。飲みたい。あの独特な風味と炭酸に浸りたい。部屋に1000円札を取りに戻り、自販機と向き合う。どうしようかなあ、悩む。ジャラジャラと重くなった小銭入れにささやかな敗北感を抱きながらドクターペッパーを握り、静かに部屋へと戻ってボロいセミダブルベッドの縁に腰を掛ける。プルタブを引くと同時にプシュッと吹き出す炭酸の音。うめえなあ。これは勝利の味と言ってもいいかもしれんなあ。「んーっ」彼女がはだけた浴衣を直しながら、少しだけ起き上がる。「ごめん、起こしちゃった?」「ううん」彼女は首を振る。「どうしたの、もっかいエッチする?」「ううん」呆れたふうに笑いながらまた首を振る。うん、俺ももうそんな元気はない。触れるか触れないかくらいかキスをすると、彼女はまた眠ってしまったみたい。彼女の優しい寝顔を眺めながら、ドクターペッパーに口を付ける。次はいつ会えるかなあ。少しだけ寂しくなりながら、明日仕事頑張ろう、と思う。

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