2018-02-05

崖とパンツの夢

目的地よりひとつ先の駅で降りてしまったので、歩いて戻っていたら、いつの間にか周囲は山がちになってきて、目の前には壁のような急斜面が迫ってきた。

それは足が軽く埋まるくらいの黒い土でできており、なぜ崩れないのか不思議なくらいの角度でそびえ立っていた。横を見ると普通にのぼっている人がいたので、いけそうだと思って足を進めた。

しかし、のぼればのぼるほど土に足を取られ、ますます急斜面になっていくような気がした。もはや見上げるほどの角度になっており、のぼった先も見えなくなった。

ついに四つん這いになり、おかしい、こんな道があるはずがないと思って難儀していると、すぐ後ろから来た制服姿のJKが颯爽と歩いてのぼっていくではないか

なぜだ、なぜあんな華奢な子がこんな道を軽やかにのぼって行けるのだ…。

いや待てよ、あのスカートでこの角度なら、絶対に見えるはずだ。何も不自然じゃない。きっとそうだ。こんな道、もうのぼれなくったっていい。

そう思って足を止めて見上げた瞬間、とつぜん背中重力を感じ、落下直前の感覚が全身を襲った。高い!落ち――

そこで脳は覚醒した。しかし、体には依然として足がすくむような高所の感覚が残っており、おそるおそる慎重に体を起こした。少し間を置いて、ようやく体も夢だと気付いた。

あの土の壁は何だったのか。横をのぼって行ったJKは何者だったのか。なぜ自分はのぼれなかったのか。

パンツは、見えなかった。

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