2017-12-18

高校生の頃、美術の授業で夏休み課題が出た。

渡されたのは、氏名欄や期日などの詳細と枠線が印刷されたA5位の大きさの白い紙。テーマは「夏の思い出」。

私はその枠線のあたりに貝やコルクの破片を散りばめて、中央(というか枠以外の大部分)をカッターで切りぬいて提出した。

提出された作品のいくつかがみんなの前に掲示され、さまざまな絵が描かれた紙が磁石ホワイトボードに貼られていく。私の作品ももちろん、その内の1つとなった。

しかし、掲示方法が気に入らない。

クリップがついた磁石を使って、ホワイトボードから浮かせて掲示したいんですけど」

と訴えたところ、先生理由を問うこともなく、私の希望通りにしてくれた。

用紙に穴をあけるなんていうアイディアは他にないだろうと踏んだものではあったけれど、そこに込めた意味は私なりにちゃんとあって、それを表現する結果がそれであって、それをいかすための掲示方法

何もきかなかった先生は、私の要望をその作品の作者として尊重してくれたのだなぁと思う。

今思えば、素材さえ陳腐なあざとい作品だったかもしれないと思う。それでも、私はあの作品のことを忘れる事は無いと思う。

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