渡されたのは、氏名欄や期日などの詳細と枠線が印刷されたA5位の大きさの白い紙。テーマは「夏の思い出」。
私はその枠線のあたりに貝やコルクの破片を散りばめて、中央(というか枠以外の大部分)をカッターで切りぬいて提出した。
提出された作品のいくつかがみんなの前に掲示され、さまざまな絵が描かれた紙が磁石でホワイトボードに貼られていく。私の作品ももちろん、その内の1つとなった。
「クリップがついた磁石を使って、ホワイトボードから浮かせて掲示したいんですけど」
と訴えたところ、先生は理由を問うこともなく、私の希望通りにしてくれた。
用紙に穴をあけるなんていうアイディアは他にないだろうと踏んだものではあったけれど、そこに込めた意味は私なりにちゃんとあって、それを表現する結果がそれであって、それをいかすための掲示方法。