(流し込みとは、“一度入場すれば、途中退出しない限り、最終回の上映終了まで、何度でも鑑賞可能”という今じゃ考えられない制度のこと)
30数年前母に連れられて映画館に行った。俺にとってそれが初めての映画だった。時間など調べる人ではないものだから、到着は上映から30分は過ぎていただろうか。上映途中にも臆せずずんずん入る母。親の言うことは絶対だったから続いて席につく俺。見たいと言ったわけでもない映画を、ストーリーもわからぬままぼーっと見る俺。映画はよくわからないまま終わる。当然のように母はその席についたまま次の回の上映を待つ。そういうものかと思うほかない。俺は映画をはじめから見ることになる。なんとなく話に入れてきたかなというころ、入場時に流れていた場面まで進んだあたりで、「もうここからは見たんだから帰るよ」と母。そして本当に連れ出された。大人とはなんということをするのかと思った。
初めて見たこの映画の内容はまるで覚えていない。ただ、どのような状況で見たのかははっきりと覚えている。
(19:07追記)これを書いて少し吹っ切れたこともあって母に電話した。30数年前のこの出来事を母も覚えていて、「昔は途中で抜ける人も多かったのよ、あのときはごめんね」と。積年のもやもやした気持ちが昇華できたように思う。母が生きている間に話せて本当に良かった。
連れが、映画館に遅れてきたのよ。 入場係のお兄さんにきいたら、思ったより予告の上映が短くて、入場した時点でもう本編開始から10分が経っていた。 映画の、しかもミステリーも...
(流し込みとは、“一度入場すれば、途中退出しない限り、最終回の上映終了まで、何度でも鑑賞可能”という今じゃ考えられない制度のこと) 30数年前母に連れられて映画館に行った...
というか目をつぶるくらいなら普通座席に座らないわ 時間が勿体無い