2017-02-13

ずっと昔ハタチくらいの頃、夜中にパジャマ姿で家を飛び出し、自転車を往復6,7時間漕いでスカイツリーまで行ったことがあった。

その小旅行は誰の目から見ても青春18切符自分探し旅行だったが、当の本人はいたって真面目に死に場所を探しに出かけたのだった。

道中どこか手頃なビルがあったらそこから飛び降りよう、最悪スカイツリーの近くの橋から、と決めていた。

道中、手頃なビルはいくらでもあった。でも私は、もう少し、次あったら、とぐんぐんと進んでいき、挙げ句の果てに永田町マックで休憩を取る始末だった。

「これが最期のご飯だ」

と食べるハッピーセットには緊張感のかけらもない。

そうこうしているうちに案の定スカイツリーまで来てしまっていた。

私の人生はいつもそう、本当にやりたいことすら、まあ明日やればいっかなんて考えているのだ。

今回は必死の思いで出てきたのに、それすら後回しにして生きる自分に気がついて、心底情けなかった。

から見上げたスカイツリーは何とも美しく、冷徹で、私にこう言っていた。

明日やろうは、馬鹿やろう」

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