2017-01-25

王さまのえほん

むかしむかし あるところに王さまがいました。

おうさまはくにをおさめてましたが、あるひ、おうじさまにくにをまかせることにしました。

「わしはこれから本をかく。このくにのえほんをかいて、こどもたちにつたえるのじゃ」

しかし、こまったことに王さまはえがかけません。これではえほんがつくれません。

そこで王さまは、まちにおふれを出しました。

「わしといっしょにえほんをつくろう」

そのおふれに、くにの人はびっくりしました。


しかし、そのうちいっしょにつくろうと、たくさんのひとがおかねをあつめました。

そして、あつめたおかねでえをかいたり、えほんをつくるためのかみやえんぴつ、ひもをたくさんよういしました。

こうして「あるくにの王さま」という本ができました。

おかねもいっぱいあつまりましたので、本もたくさん、つくることができました。


だけど、王さまはなやみました。

「このえほんをかうには、おかねがないといけない。こどもにはかえないかもしれない」

そこで、王さまはひらめきました。

まほうつかいにたのんで、だれでもみられるようにしよう」

まほうつかいは、えほんを見られるおまじないをつくり、たくさんのくににおしえました。

もちろんお金はいりません。王さまはたくさんおかねをもってましたから、もうおかねはいりません。

こうして、王さまのえほんは、だれでもみられるようになりました。


ですが、なんだかようすがおかしいです。

にの人たちがおうじさまのところにたくさんやってきたのです。

「おねがいですおうじさま、王さまをとめてください」

「王さまのえほんのせいで、わたしたちはおかねがもらえなくなってしまいました」

これはたいへんだ、おうじさまはもっとたずねました。

あるひとはいます

「王さまはえほんにわたしをだすとやくそくしたのに、だしてくれませんでした」

あるひとは、つづけてこういいます

「王さまのえほんをよんだひとが「王さまのえほんよりたかい!」といい、わたしのほんをみておこりだしました」

さらに、ある人も言います

「「王さまをみならって、おかねなしではたらこう」と、いわれてにげてきました。これではおなかがすいてうごけません」

そうです。王さまがつくったほんは、みんなのがんばりで作られたもの

なのに、みんな王さまがひとりで作ったと、かんちがいしてしまったのです。

おうじさまは王さまのいえにいき、いろんなひとのはなしをつたえました。

しかし、王さまはむねをはってこういいました。

「おうじよ、おまえは『おかねのどれい』になっているのだ。わしのえほんは、いろんなくにに『おかねのどれい』にならないことをおしえる、そんなえほんでもあるんだ」

おうじさまはどうすることもできず、がっくりするしかありませんでした。


さて、そんなおうじさまとまちの人のようすをみかねて、がっき引きがうたをうたいました。

「王さまはいじっぱり。おかねの代わりにいばりたい」

「みんなはえほんがたべられない。おなかがすいたよ、ぐーぐーぐー」

そのうたをきいた王さまは、がっき引きをくにからおいだし、またおふれをだしました。

「『王さまはいじっぱりでがめつい』といううたは、まちがいだ。わしは本がひろまってまんぞくだ」

「『えほんはたかすぎてかえない』というのもまちがいだ。えほんはじゅもん1つでよむことができる」

この2つのおふれに、まちの人もがっくりし、つぎつぎとくにをでていきました。

そして、王さまのまわりには、王さまをほめる人ばかりがあつまりました。

このまま、おうじさまのくにはどうなるのでしょう?

みんなも、まちの人やほんをいっしょにつくったひとのきもちになって、かんがえてみてください。

おしまい

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん