名古屋支店に小林さんというラーメンが大好きな人がいた。
というと、太っているかのように想像するかもしれないが、
小林さんはいたって普通の体型で、メガネをかけているどこにでもいそうな
サラリーマンだ。
彼が福岡支店に出張に来ると、いつも一蘭というラーメン屋へ昼・夜と2回行っていた。
彼は生来、胃腸が悪いみたいで一蘭を食べた翌日は毎回お腹を下していた。
「あの油が体にあわないと思うんだよね、いててて」
トイレに行く時に照れ隠しでそういったことを言っていた。
そんなある日、小林さんが亡くなった。
あまりにも腸がゆるくなるので病院にいったところ、
過敏性腸症候群という診断だったのに、
精密検査をすると膵癌がみつかり、あれよよいう間に死んでしまった。
棺桶にはラーメンが入れられた。
あの世でもお腹をくだしているのだろうか。
Permalink | 記事への反応(0) | 10:33
ツイートシェア