2016-01-17

ボカロが好きじゃなくなった話

 VOCALOIDタグで、投稿が新しい順に並べて気になる動画をチェックする。それが僕の日課だった。好みの曲や不思議な曲に出会うのがただ楽しくてしょうがなかった。Twitterで呟いて、感想を共有したり、好きなところを話したり、おすすめ曲を投げ合ったりするのも楽しかった。

 でも、いつからか楽しさが消えていた。ただ楽しくてやっていたことを「やらないといけない」と思うようになっていた。

 新曲を聴かないといけない。

 話題についていかないといけない。

 感想をつぶやかないといけない。

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 ボカロを好きじゃないといけない。

 何がいけなかったんだろう。ただ好きで楽しくてやっていたことが、義務感でまみれるなんて。

 ◇ ◇ ◇ ◇

 今「ボカロ好き?」と聞かれたら即答するできない。でも、新曲チェックや感想ツイートは惰性で続いている。好きな作り手の新曲が公開されると気になって聴きに行ってしまう。

 義務感を完全に拭い去ることはまだできていない。

 ◇ ◇ ◇ ◇

 何かを好きでいないといけないなんて思い始めたら、苦しいだけだ。

 でも、考えてしまう。僕は本当にボカロが好きなんだろうか。心から楽しめているのだろうか。

 某ピーの新曲タイトルではないけれど、ただ単にモチベーションが死んでいるだけなのか。

 数年前の僕はこんなこと考えるなんて夢にも思っていなかっただろうな。

 去年の僕はどんなふうにボカロを楽しんでいたのだろう。

 ◇ ◇ ◇ ◇

 ボカロ好きな人は、ボカロが好きかどうかがわからなくなるらしい。好きすぎて。

 僕はそうだったらいいなと思いながら、この文章を書いている。

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