■褒められたい人生だった
子供の頃から割と何でもできる子だった。
自転車もすぐ乗れたし、幼稚園の頃から漢字の読み書きもできた。
持ち前の好奇心と記憶力の良さから勉強に不自由したことはなく、
4月生まれなので体も大きく、運動にも苦労しなかった。
そして気付いたら「できて当たり前の子」になっていて、特に褒められた記憶がない。
だからわざと大人受けの良さそうな作文を書いて賞を取ってみたり
大好きな絵をたくさん描いて展覧会に出品してもらったりもしたけど、
私の心はどんどん冷めていくばかりだった。
親や教師は転びながらも頑張る子を高く評価した。
だからわざと転んでみたりもしたけど「あなたにしては珍しい」と言われただけだった。
もっと特別にならないといけないと思っていた。
すごいことをやらなければならないと思っていた。
その呪縛は長く私を苦しめ、正直今も時々苦しんでいる。
私は天才でもなんでもない、ごくごく凡人であるのだから。
誰か褒めて。
あなたはあなたのままでいいと、よく頑張ったねと、一度でいいから言われたい。
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