彼女たちはネットしないだろうな
うんこは臭いだろうけど
それはそれでいいんだ
彼女たちは天使になりたがってる
だから、こんなところに来はしない
ぼくたちを誰も救えはしないんだ
ずっと水の底を漂ってるだけなんだ
ちょっと浮かぼうとしたらすぐに上から
新しい排泄物が落ちてきて
その新しさに目を奪われてキャッキャッするしかないんだ
沼の中にいることを見失っているわけではないけど、
みんな目を背けたがっている
「ここは、光っているんですよ」
なんて、人面魚が泳いできてささやいてくるけど、
それはごく狭い個々の風呂桶の中をアンコウが照らしているだけで、
そんなことを言ってる間にも頭上からはあいかわらず
出来立ての工業排水がカラフルな有機物を巻き込んで降りてくる
まわりの人たちは、あいつがカラフルだ、いや、あいつは
カラフルすぎて新しい時代の旗手になれないなんて言ってるけど、
みんな忘れてしまってるんだ。
ここが沼の底であることはいつだって明白なのに
気づかないふりをしている人たちは、
いつのまにか自分が騙されているんだ。
でも、みんな気づけない。なぜなら、慢性的な睡眠不足だからだ。
Permalink | 記事への反応(0) | 23:31
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