いい感じのスニーカーが手ごろな値段だったので、試し履きしてみようかと店員をさがす。
「なにかおさがしですか」
胸に研修中と書かれたバッジをつけた、女子大生的なおねえさん。
おれ好みのはっきりくっきり上がり眉に、ほのかに醸し出されるギャルオーラ。
リスのような髪色と、小動物のようにくりっとした目がリンクしていてかわいらしいのだ。
「これのサイズ違いが欲しいんですけど」
靴を手に戻ってきたおねさんに案内され、椅子にこしかけ履いてみるも、いまいちしっくりこない。
「すみません。あそこのも履いてみたいんですけど」
おれが5mほど離れた、ずらずらと靴の置かれたスペースの最上段のひとつをリクエストすると
「これですか?」
と背伸びしながら左隣のを指さす。かわいらしい。
「それではなくてあれです」
「ああ紺のですね」
どうしようかと困り顔で考えあぐねるおねえさんのかわいらしさがマックスに達すると、
突然関口メンディーが、わし!と所望の靴をつかんで、こちらへのしのしやって来るではないか。
「あ、どうも」
もうそこからは流れ的に関口メンディーがおれの担当になってしまった。流れ的にちゃんと買ってしまった。
あーあ!おねえさんとふれあうの楽しかったのにな!