幼い頃から、私にとってサンタクロースというのは、アニメや特撮と同様に大人が子どもを喜ばすための作り物だった。
トナカイの引く空飛ぶソリに乗り、子どもの好きなプレゼントをくばりにやってくる。それはどう考えても鉄腕アトムや仮面ライダーと同じカテゴリーの存在だ。
保育園ではそんなサンタに向けて手紙を書かせらりたりしたが、当時はなぜ架空の存在に手紙を書くのかよくわかっていなかった。
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親はサンタの存在など私にまるで教えず、12月になると私をオモチャ売り場へと連れてゆき、直接プレゼントを選ばせ、時にはその選択にケチをつけながらも買ってくれた。
25日まで待たなかったのは、売り場が混むのがいやだったのか、いつ渡しても結果は一緒と考えたのか、とにかくクリスマスといえばプレゼントを買ってもらえるだけのイベントだった。
(後日、保育園ではささいなパーティーが開かれ、家でもクリスマスケーキを食べたりもしたが)
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そういう環境で育った人間なせいか、私にはサンタクロースという存在を信じられる子どもというのがよくわからない。
サンタがプレゼントを持ってくるというのは、信じたことが一度もないな 親もそういうクサイ仕掛けが嫌いな性格だったみたいだし、 近所の友達が「サンタプレゼント」を見せてくれて...