トピシュとさっこは中学時代からの友人で、結婚してからも仲良くしていた。
「だって、さっこおかーさんは、さっこおかーさんなんだもん」
みんなの世話焼きお母さん、という意味合いも強いが、トピシュは自分とさっことの関係性をよく示していると思い、気に入っていた。
トピシュはさっこのことが好きだった。
トピシュはさっこのことが好きだった、本当は。
けれど、その恋に始まりも終わりもないこともよく知っていた。
「そういうところが子供なんだよ」
おっとりとしていて、いつまでも自分の母親のように優しいさっこのことが、トピシュは本当に好きだった。
だからこそ、トピシュはさっこのことを「おかーさん」と呼び続けていた。
そう呼ばないと、何かがダメになってしまうような、そんなことを考えていた。
「さっこおかーさんも、お母さんだもんねえ」
「そうだよ、トピシュちゃんと同じだよ」
「同じか。。。。。。 同じなのかな?」
「同じだよ」
「本当に?」
「うん、さっこおかーさんが嘘ついたことあった」
「ない」
「でしょ?」
「うん」
トピシュは悲しかった。
同じじゃないとわかっていたから。
それでも、トピシュはさっこと一緒にいたかった。
「いこ、さっこおかーさん!」