老いた両親が二人で暮らしている。
父を残して母が先に亡くなる事を考えると恐ろしい。
愚直で、不器用で、不合理で、大酒飲みで、ヘビースモーカーな父。
違う考え方をもつ他人として、互いを受け入れる事ができなかった。
年に数回会うだけの今でさえ、些細な会話がきっかけで怒鳴り合いの喧嘩になる。
(今年も元旦早々ひどいことになった…)
ただ、自分を育ててくれた父に対して感謝の気持ちを忘れたことはない。
そんな父が一人残されたらと考えてみる。
やることもなくTVを見続け、食事もせずに酒ばかりを飲む生活を送るだろう。
もちろん家のなかは煙だらけだ。
そこで私は選ぶ事になる。
自分とその家族が不幸になると分かっていながら、一つ屋根の下に迎え入れるか。
前者を選んだ場合、罪悪感に悩まされるだろう。
そして許しを与える対象が死ぬ以上、決して許されることはない。
後者を選んだ場合、日々の生活の苦しさに父の死を願うようになるだろう。
ただしそれは彼が死んだ時点で終わる。
どちらにしてもろくなものではない。
考えるたびに憂鬱になる。