2013-10-31

http://anond.hatelabo.jp/20131030182231

「こんな暮らしもあったんだなあ」

 誰をdisることもなく誰からdisられない。そんな慣れない生活にとまどったが、孤児院の子供たちに慕われながら、次第に安らぎを感じることが多くなった。このまま子供たちに囲まれて一生を終えるのも悪くない、そう思うようになっていった。

 

(中略)

 

「こいつを使うことはもうないと思っていたが……」

 元増田PCにかぶったほこりを払いながらつぶやいた。古ぼけたディスプレイには青字に白文字でこう表示されていた。

『ようこそ 元増田 さん』

 かたわらで心配そうに見上げる少女の頭をなでながら、元増田はやさしく言った。

大丈夫心配いらない。30ブクマ、いや20ブクマもすればすぐ終わる。ほんの一晩の簡単な仕事だよ」

「……約束して」

「ん?」

「……必ず帰ってきて、次のお休みには海に連れて行くって約束して」

 元増田わずかに口元が歪んだ。一度ブックマーカー戦場に帰ればもう戻ってこれないだろう、それは彼が一番よく分かっていた。

 だからこそ、彼はほほ笑んだ。

「もちろんだ、約束するよ。ただし、これは二人だけの秘密だぞ?」

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