実家でも、学生時代も、ずっとずっと電車とバスでの移動の同僚(女)は、埼玉の田舎町に越した今でも駅周辺以外の地理をほとんど知らない。
このあいだ茶碗を割ってしまったとかで、バスに乗り、電車に揺られ、東急ハンズで茶碗を買って、また電車とバスで帰ってきたそうだ。
自転車でも原付でも買って、近くのホームセンターにでも行けばいいのにと思って尋ねたら、存在を知らないらしい。
「駅から国道○号線を超えて次の道路を、北の方に向かったところにあるよ」
もう3年近く住んでいるはずなのに。
ユニクロの場所も、ニトリの場所も、コジマ電気の場所も、ツタヤの場所も知らない。
彼女の頭の中の地図は、駅の周辺以外には空白地帯が広がっている。
今度みんなで埼玉県内でどこかハイキングに行こうという話をして、プランを提案させたら、いったん池袋に出て、西武線で埼玉県に入り、そこからバスに乗ってというプランを提案してくるから恐れ入る。
なんでたかだか30kmも離れていないところに行くのに、わざわざ都内を経由してV字に移動しなければならないのだ。
本人が幸せなら何よりだ。となり町のTSUTAYAまで、電車もあるのに歩いて行くオイラからすると、そういう考え方もまた楽しそうだなと思った。
いやー、笑えない。 東京に来て、15年ぐらいたつのに、電車脳に近い。 生活のほとんどが会社との往復な上に、オタで外出はあまりしないので、ほんとに駅周囲しかわからない。
その娘も、社員寮を追い出されたら、次は駅の近くに住みたいとか言ってるんだけど、なんでだろう? 自転車か原付でもあれば、だいたいのものが市内で揃うのに。 そりゃ東京に出ない...