今回、死んでしまった彼は本当に気の毒だ。
同じくヒドいイジメに遭って自殺未遂をやらかして、見苦しく生き残ってしまった俺から見ても気の毒で仕方がない。
実際のところ、学校なんてものはサクっと通うのを辞めてしまえばいいものだってことを彼に教えてあげたかった。
そして、それは周囲の大人たちが彼に教えてあげるべきことだったと思う。
そりゃ、パッケージされたシステムに従ってサクサク人生を進めていけるのが一番良いとは思うんだけれど。
でも、それが全てじゃない。レールを外れたって、特に十代の内なんて幾らでも他の道があったというのに。
それは実際やってみれば決して難しいことではなかったんだけれど。
難しいよなぁ、十代でそれは見えないことだよなぁ。大人が教えてあげなきゃいけないことだよなぁ。
子どもを亡くした親に鞭打つようだが、「逃がす」ってのも親の大事な仕事だ。でも、難しいよな、知らないもんな。
中学校に通わなくなった息子を受け容れるってのは難しいことだよな。俺の親もそうだったし。
人間ってヒドい生き物だからこーいうことは起こる。誰しも、被害者になり得る。