2012-01-03

アイドルが好きだ。

可愛い女の子を見ていると幸せで、歌って踊っている姿を見ている間は、嫌なことを思い出さないでいられる。

たとえば、仕事のこと。家族のこと。みにくい自分自身のこと。

様々な問題があったとしても、アイドルに夢中になっている間は、つかの間楽園にいることができる。

アイドルに好意を抱くというのは、浜辺で貝殻を拾い集めることに似ている。

彼女達と、生きた人間として関わることはできない。

決して友人や恋人になれる日はこないのだ。

手にするのは、写真CDDVDなど、彼女達を切り取った断片だけだ。

しかしそれでも、無数の貝の中から自分好みのものを探し、時には綺麗に磨いて、棚にかざる。

一人の夜にそっと眺めたり、誰かに見せびらかしたい気分になったりすることもある。

彼女達が自分ものではないと充分わかっている。

ただ、その欠片を見ているだけで、心が満たされる。

世の中に美しいものがあることを思い出させ、希望を与えてくれる。

それが自分にとってのアイドルだ。

時々、彼女達が消費されていくことに、不安を覚える。

自分彼女達を消費することにも、罪悪感が沸く。

の子達はそれぞれ一人の生きた女の子なのに、

人達の手によってビンの中に閉じ込められてしまっているーー

の子アイドルでいることを望んでいるだろうか。

人格を省みられない、からっぽのかわい子ちゃん達。

アイドルを愛する故のジレンマ

  • 彼女達が自分のものではないと充分わかっている。 ただ、その欠片を見ているだけで、心が満たされる。 世の中に美しいものがあることを思い出させ、希望を与えてくれる。 「決し...

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