会社のために価値を生み出しているあなたが、会社に残るのは「気分が悪い」ような気になる(=会社にとってマイナス)ということは、「あなたがあなたの価値を会社に知らしめることは、あなたの会社にとってみればトータルプラスになること」であり、従って「それもまた会社の仕事の一部である」という風には考えられないか?
何もしていない人間が自分の価値を誇大に宣伝することは、会社にとってマイナスだ。従ってそれを憎む気持ちは当然である。
しかし、「黙々と会社のために『見えないところでも』働いたから、その分オレを評価してくれ」というのは、「評価するためのコスト」を考えていない点で、これまた会社にマイナスであるという考え方も考慮すべきかもしれない。あなたのために、あなたを陰でじっと見守る専門の評価員を一名余計に雇うべきだろうか? それよりも「あなた自身があなたの仕事の評価員となって上に報告する」方が安上がりなのではないだろうか。
『誰も見てない・気づかないかもしれないオレの仕事』の評価を最も公正にできるのは、あなたをおいて他には無い。あなたはあなたの仕事の成果を、ペーパーなり数字なりという形で、きちんと会社に伝わるようにすべきなのではないだろうか。それをしなかったことが、あなたの問題であるという見方はできないだろうか。まして、それが人事考課に影響して、結果としてあなたという有能な社員の流出につながるのだとすれば、あなたの犯したマイナスの影響はあまりに大きいと言わざるを得ない。
今回の人事への不満は理解するし、そのことであなたが転職をすることも止められないかもしれない。だが、上司とて決して万能ではないのだから、あなたの価値はあなた自身で証明するという姿勢をもつことは、あなたの今後にきっと役に立つはずだと思う。過剰に宣伝するのではなく、公正に評価することは、会社にとって当然プラスなことのはずなのだから。