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2009-02-17

日本海資源を巡る現実

 

(1)米国さんがやってくれた

今、日本海に埋蔵される海底資源ってのは、メタンハイドレート(以下、MH)のように岩盤上に蓄積するタイプと、大陸プレート接合面での熱水鉱床から出た溶存金属が積層したタイプに分かれるんですよね。

で、両者とも我が国の領海~EEZ経済排他水域)に集中しています。

(もっとも、調査が進めばユーラシア大陸側にも見つかるかも知れませんが。)

こいつがEEZ境界とかだったら大陸側諸国もイチャモンをつけれるのですが、どう見ても付けられないぐらいに、日本よりになっています。

 

3年ほど前、我が国でも新潟沖から北海道奥尻までの水深200m~500mの水深帯にMHの大規模鉱床が見つかったのですが、同時期、ロシアサハリンプロジェクトで、日本商社ガス田掘削の技術をどんどん蓄積していっている。

こいつは米国さんから見ると、エネルギーという首枷から日本が離れていくことを意味しており、あまり嬉しくない状態となりました。

とは言え、小泉さんブッシュさんが仲良しなので、あまり表立って動くこともできない。

 

そこで目を付けたのが、国連海洋法条約の「閉鎖海又は半閉鎖海(+附則書IIIあたり)」の項目です。

要はこれ、地中海とか黒海とかを対象に、複数の国の領海を含む内海(外洋に面さない海)では沿岸国みんなで仲良く配分しなさい、という中身なんですが、こいつを日本海資源開発に応用しないか?とやってくれたわけです。

 

(2)追い込まれた日本

皆さんにとって、国連海洋法条約とか経済排他水域(EEZ)って余り馴染みがない言葉ですし、知っている人でも「領海の延長」を管理する法律くらいにしか思わないはずです。

ところが、この海洋法条約、「資源権益を主張する国は永続的な資源利用(特に水産)と情報開示」が「義務」なんです。

もし多国間で資源紛争となった場合は、「管理能力資源情報の開示」が調停の基準になります。

この義務を不履行あるいは処理能力無しと見なされた場合、EEZ権益は相手国に渡ってしまうという恐ろしい条約です。

 

・・・もうご想像が付くと思います。

これはエネルギー資源を持たない北朝南韓と、強烈な経済成長人口増加を支える次の資源を探していた中国にとって「干天の慈雨」となり、強烈な日本バッシングが起きたわけです。

2年前、国連の海洋資源管理委員会(正確には、その太平洋部会)が開催された時、こんな要求が出てきました。

 

  1. 日本海の名称変更(いつものやつ)
  2. GPS時間基準の移設(日本から韓国へ)
  3. 日本海全域への閉鎖海条項の適用
  4. 日本EEZにおける埋蔵資源情報開示
  5. 海洋資源開発にかかる日本の有する科学技術の開示
  6. これらにかかる費用日本負担(+いつものように謝罪要求)

 

凄いでしょ。

これ、ガチで出たんですよ。

まるで東京裁判(笑)

で、その前後に、北朝鮮ミサイル核実験ロシアサハリン1開発利権お召し上げ、インドネシアガス田利権喪失(正確には、中国による政治的強奪)があったわけです。

これで日本天然ガス供給が多いに滞り、北海道ガス北九州ガスは苫小牧のガス備蓄を取り崩す可能性すら出てきました。

そう、実はこれらの国家イベント、全部繋がっていたんです。

 

(3)突き付けられた二者選択

当然日本は拒絶し、一度は席を立とうとしたのですが・・・ライスさんが「この会議平和裏にまとまることを望む」なんてのんきに言ったお陰で、席を立つことも出来ない。

更にまずいことに、日本では南西海域に対して中・韓に配慮して海洋調査をしてこなかったんですねぇ。

つまり、今の海洋法条約では「資源管理能力無し」ってこと。

ここで、ブスブス煙を噴いていた尖閣諸島の領有問題と、例の海底ガス田開発(春暁)が一気に外交の表舞台に出てきました。

そう、中国日本に全面屈服を求めてロンボク海峡とマラッカ海峡軍艦を出したのです。

 

中国からの要求はシンプルで、

  1. 日本海における資源権益を放棄すること。
  2. 日本南洋の領海・経済水域の全てを破棄すること。
  3. エネルギー安全保障」と「軍事的安全保障」の二者選択をせよ。

 

これに北朝南韓ロシアも付随し、オブザーバーカナダ調停を諦める程でした。

正に日本は絶体絶命、崖っぷち後一歩。

片やオイルショックも吹っ飛ぶ「ガスショック」、片や軍事安全保障の放棄ですからね・・・。

傍観していた米国さんもさぞ慌てた事でしょう。

何せ、どっちの選択でも台湾グアムという米国が死守している軍事ラインに中国軍艦が堂々と侵攻出来るのですから・・・。

そして、一部の軍艦潜水艦だったか?)が台湾太平洋沖に出たとのニュースが飛び込み、会議は一気に緊迫化します。

 

(4)歴史が動いた

現地時間某日午後4時30分、日本側回答期限の30分前、皆様おなじみの、あの閣下が、麻生ローゼン閣下が吠えて下さいました。

 

「なぜ核兵器を持たないかの議論を・・・」

 

あの発言です。

あれが何故あのタイミングで?

それが偶然なのか必然なのか私には判りませんが、少なくともあの発言がプレスを通じて一気に拡散し、日本側の回答期限は無期限延長となりました。

そしてその翌日・・・米国ライス国務長官が訪日し、「閣下エスコートで」韓国盧武鉉大統領面談をしました。

これで決まりです。

 

大陸側諸国が仕込みに仕込んだ対日カードが、彼らにとって最悪のシナリオである「日本核武装」というジョーカーを伴って全て突き返されたからです。

そして、それを米国が黙認していると・・・。

結局、この会議も議題も全て記録からは抹消されました(凸電しても無駄)。

これが日本海資源を巡る現実なんです。

 

もはや、大陸側諸国にとって我が国の海洋資源は収奪の対象でしかないことを、少しでも皆様に実感していただければ幸いです。

そして、日本海における平和国家交流は最早あり得ないことをお分かりいただけると幸いです。

非常に残念ですが。

 

最後に、某大陸国の代表が日本側に向けた言葉で締めくくらせていただきます

 

日本海平和的・協調的な開発を妨げる者、妨害の意志を誘発せしむる技術開発者は、全て軍事的懲罰の対象にすべし」

 

 
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