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2023-02-22

anond:20230222161816

事実概要

患者A(1歳)が診療所で診察を受けたところ、同診療所医師は、気管支炎ないし肺炎により君津市内の病院

治療がよいと判断、同病院への搬送を依頼したが、満床により入院できないとの返答があり、その後、同病院

返答前に患者を乗せて既に出発していた救急車が同病院に到着したが、入院拒否された。消防からの再三にわた

要請拒否されたため、消防は1、2時間搬送に耐えられるかとの診断を求め、同病院医師が診察、右搬送

に耐えられるとして、応急処置もなく救急車を送り出し、千葉市内の診療所収容されたが、呼吸循環不全症状が

改善せず、気管支肺炎により死亡するに至った。

• これに対し、患者の父母が君津市病院診療拒否により患者は適切な医療を受けるという法的利益侵害され、

財産的損害、精神的損害を被ったとして、同病院の開設者である君津郡市の病院組合及び初めに診察した診療所

対し、不法行為理由損害賠償請求君津郡市の病院組合につき、診療拒否について正当事由存在が認めら

れないとして、財産的損害(逸失利益)・精神的損害について不法行為に基づく損害賠償責任が認められた事例。

(1862万円の請求に対し、1395万円が認容)

【判旨】

• 「被告組合は、君津中央病院が、適切な治療をする設備がないのでAのためを第一に考えて他の病院への転送を依

頼した行為は、診療拒否にはあたらないと主張する。Aのような気管支肺炎の患児の診療には、後記のとおり入院

設備が不可欠であると考えられるので、君津中央病院が、木更津消防から同月二二日午前九時四五分、最初に収

用依頼を受けた際、入院設備が不十分のため設備のある他の病院への転送を依頼したとしても、それがAのためを

第一に考えたものとするなら診療拒否にはあたらないと解せられる」。

• 「しかしながら同一〇時三分、Aを乗せた救急車が同病院に到着した時点においても転送を依頼し、その後容易に

Aの収容先が見つからないことを認識しながら、同一〇時一五分、同一〇時三五分にも転送を依頼し、同一一時五

分にO医師が診察した後も転送を依頼したことは、もはやAのためを第一に考えた行為とは言えず、診療拒否にあ

たると解される」。

• 「医師の応招義務(注:医師19条1項)は、直接には公法上の義務であって、医師診療拒否すれば、それ

がすべて民事医師の過失になるとは考えられないが、医師法一九条一項が患者保護のために定められた規定

あることに鑑み、医師診療拒否によって患者に損害を与えた場合には、医師に過失があるとの一応の推定がなさ

診療拒否正当事由がある等の反証がないかぎり医師民事責任が認められると解すべき」。

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000357058.pdf


満床理由にした入院拒否でも損害賠償が認められた例

差額ベッドしか空きがないなんて理由での入院拒否病院側に1mmの理もなくて患者側の勝ち確やから強気でおればええだけやで

 
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