俺が初めてコミケに出品したときは、50部刷って2部しか買ってもらえなかった。
最終的には1000部刷るようになって(今じゃたいしたことない数なのかもしれないけど、4桁刷るやつなんて俺のもともとの友人にはいなかった。)、ゲームに転向して、その流れで今の仕事にたどり着いたけど、
俺たちの頃は、レベル1でコミケからスタートして、その多くが散っていった。
一方、今はpixivやtwitterやなろうがレベル1でデビューする舞台のようで、コミケに行く頃にはレベル20くらいあってそうそう爆死はしない気がする。
オンラインだと、同じ人が何度も名前を変えて再挑戦しているのを見かける。
絶対に自分の方向性を変えない人、迷走しちゃう人、常に流行に乗っかろうとする人、
ハンドルネームも、わかるように変える人、わからないように変える人、それぞれの考えが見えるようで面白い。
いずれにせよ、対面の場で1日きっつい思いをして再挑戦なんてなかなかできなかった時代とは違うな、と感じる。
そんな初めてのコミケで余らせた48部のうちの1部を受け取ってくれた見知らぬ人が今の職場の上司の上司だった、と、つい先日気づいた。
彼の退職に当たってオフィスを片付けていた際、部屋に積まれたダンボール箱にその1部が入ってるのを見つけた。
素知らぬ顔で「何ですか、このダンボール?」と尋ねると、「ん? 老後の楽しみ」。
奥付には住所氏名を書いた時代だけど、開きもしなかったのか、開いても記憶には残らなかったのか。
いずれにせよ、老後の楽しみに貢献できれば嬉しい。