オリンピックに関わっていたわけではなく、エンタメ業界にいるわけでもない一般人なのに、開会式の事を考えると暗い気持ちになる。
開催直前の度重なる辞任騒動で心配の声は上がっていたものの、「とはいっても、それなりのものが用意されているだろう」という淡い期待を持ってテレビの前に座った。
いつもは早く寝る子供と夜ふかしして一緒に見たのだが、ドローンとピクトグラムで多少盛り上がったくらいで、他の部分では家族全員の頭の上にクエスチョンマークが出ていた。
文脈なく安易に陳列される歌舞伎・江戸火消し・ゲーム音楽などの日本文化、意図のわからないイマジン・QUEEN・ボレロ・タップダンス。淡い期待は疑問と落胆に変わっていた。
個別のパフォーマンスが優れている事は間違いないのだが、終始「自分は何を見せられているのか」という感覚だった。下の子供は森山未來が踊り始めたくらいで知らない間に寝ていた。
その日は特に深く考えることもなく寝たのだが、翌日にTwitterやはてなで開会式を巡る電通のゴタゴタや幻のMIKIKO氏案などを知り、自分には全く関係無い話なのに、「なぜこうなってしまったんだろう」と思うようになった。
愛国心は強い方ではないし、オリンピック開催には反対だった。でも、自分が生まれた日本という国が総力を結集して作り上げたショーがこれなのかという落胆でずっとモヤモヤしている。
自分がいくら頑張っても、この開会式をどうにかできたわけではないし、「じゃあお前がやってみろ」と言われたらこれ以上のクソになることは間違いないけど、この嫌な気持ちはどうすれば消えるのだろうか。