自身は比較的リベラルなのに、保守的な交友関係に敵対するようなことも言えなくて、でも正しいと信じたことは正しいと言う。
「間違いを正してやる」みたいな上から目線じゃなく、間違えてしまう人々の気持ちに寄り添って、「何をどう間違えて、批判されているのだろう」ということを、同じ目線で解釈しようとしてくれる。
私はこういう優しい人が好きだ。
ワイドショーにはうんざりすることもあるけど、私がこの番組のことを嫌いにならないのは、こういうところだ。
COVID-19に関しても、ワイドショーの流す情報は質が低い。やはりモーニングショーを見ながら、専門家の話を聞く気がないコメンテーターにはうんざりする。しかしそれが一般大衆のリアルでもあろう。
そんな面倒くさい人々を相手にしながら、不安な心にしっかりと寄り添い、それでいて正確な情報を必死で伝えようとする専門家の姿に私は心を打たれた。岡田晴恵さんと言うらしい。こんな立派な人がいたんだ。くだらないと笑われる番組に出て、くだらない人々を救うために、諦めずに言葉を尽くす。これが本物の「専門家」なのだろう。
ワイドショーなんて、心底くだらない低俗な番組だと思う。しかしそんな地獄こそが、今まさに私たちが生きている現代社会そのものでもあるのだろう。「地獄は地獄」と見下して、関係ないふりをして、自分たちは高潔で穢れのない高等な人類であるという顔をするのはやめよう。
さすがは天気の子だね。