ベンチャー叩きの根っこにある思いは、マスコミならばネットによって仕事を奪われた怒りのよう。ようやく記事で食えるようになったのに、また一から始めろと言うのか、というような思いがあるのだそうだ。たしかに今までの努力が無に帰されるような喪失感があると思う。
しかし、そもそもベンチャーというのは変化し続けて状態を維持するという苦行を引き受けており、安定なんて一瞬たりともない業界。価値の本質を問い続け、新しい仕事を産み出しつづけるのがベンチャーでありそれが生き延びる唯一の方法と覚悟をしている。
短期間で仕事を覚え、短期間で環境になれ、一人で何でも仕事をこなさないといけないのがベンチャー。
重箱の隅をつついている暇もないほど、最重要の価値である本質を見続けないといけない。そのためには細部は捨てる。自らを鍛え磨き続けないといけないし、積み上げてきたものを失う痛み=変化など1000倍は引き受けている。
その痛みを半分ぐらい、我慢して引き受けてほしいとすら思っている。
仕事を失うかもしれない事を恐れる人へは、ベンチャー側から言えることは、どんなに変化しても、本質の価値をとうていれば、そこは無駄にはならない。積み上げ式で、新しい環境でもいかすことができる。変化すると何が本当に大切なものなのか、本質が見えてくる。
逆に言うと変化できない人間は、本質がなかなか見えないのかもしれない。
ベンチャーは新しい仕事を生み出す。今まで以上の仕事を産み出すベンチャーも中にはある。しかし、長年、本質を見ていなかったものにはベンチャーが産み出す新しい仕事の波に乗れない。新たに仕事にありつける人と、ありつけない人が生まれるのだ。
もちろんベンチャー自信も新しい仕事を行いつづける。なにせ、すべての仕事が開拓しつづけることだから。
しかし業界によっては、変化する必要のない職業もあるので、全てには当てはまらないけれど、変化が促されるなら、いつかは変化が必要になる。その時は、苦痛だけではく成長という喜びもあることを信じよう。