いま、甲子園に出場する高校生がテレビの特集で喋ってたんだけど…その彼はひたすら「バント」を練習してるのね。「ボクの役目はつなぐことだと思うんで」といって、ひたすらバント。
で、監督も「つなぐ野球で一つでも多く勝ちたい」って言ってんのね。何も思わない顔で。
いや、それどうなん?
こういうのって、今更かもしれないし、自分がナイーブすぎるのかもしれないのだけど、高校生が何が悲しくてひたすら「バント」の練習をしないといけないの?それが練習なの?で、それって「野球」なの? 少なくともそれ「BaseBall」と呼ばれるスポーツじゃないよね。「Yakuu」だよね「ヤキュー」。Yakyuu!って、なんかYahoo!みたいだね。全然どうでもいいね!
この子もさ、有名スポーツ校に進学してる以上、少年野球とかではエースで4番で花形だったんだろうね。中学校くらいでも、天才的なバッティングセンスとかフィールディングとか、そういうものを評価されて、本人も野球が好きで好きでたまらなかったんだろうね。親も無理したろうね。私学に進学して野球がしたいという息子のために、親はそっと定期預金を解約したり、親父は小遣い減らしたりしたのかな。でも、それで息子が好きなことを思いっきりやれるなら…と思って、頑張ったんだろうね。レギュラーになったよ!って聞いたときには、何気ないふうで「そうか」とか言ったりして、でもその晩ひっそり祝杯とかあげちゃったかもしれないね。久しぶりに飲む本物のビールはうまいなあ、とか思いながら。あいつとサシで呑めるまで後何年かなあ、とか思うとニヤニヤしちゃったりしてオレきめえ、とか呟きながら。
でね、その息子ね、いまは「バント、バント、バント…」ですよ。
こういう「部活動」をやらせて、それでこの子の一生に何が残るんだろう。少なくとも、プロでやっていける体力とか技術とか、ではないよね。集団に奉仕する精神? ブラック企業で社畜になって首を吊る能力? この子が「親父、オレもう野球はやめるわ…」って言い出すまで、あと何年だろう。この「部活動」の教育的効果が何であれ、この子に「スポーツをする喜び」を教えていないことだけは確かではないかな。ホントこれ、保護者はどう思ってるんだろうね。切ないね。
まだバントの練習ならマシだよな。 強豪で人数の多い部活は、球拾いとダッシュしかさせてもらえない部員ばっかりってイメージ。
野球なんかやめてバンドやろうぜ!