2013-03-08

http://anond.hatelabo.jp/20130308095054

様式の違いとテーマ性の大雑把さだな。

古典になればなるほど、テーマがある作品じゃなくて、この世のありとあらゆることを詰め込もうとしてる作品を目指してる。

聖書イリアスくらい、口伝が入り混じったような古い話だと、テーマもつかめなければ様式も無茶苦茶

「起」、「承」、「転」、「結」でなはくて、つらつらと始まり、説明がなくなにかがはじまり、延々と詩歌が続き、盛り上がり続け、盛り下がり続け、突然おしまい

記録と文学の境が曖昧伝説事実がまぜこぜだし、詩吟の要素まで含んでいてカオス

紀元後になってくると、さすがに散文と詩が区別されて、科学視点も含まれてきて書いてる人の頭の中で整理してから書き始めてるのがわかる。

っていっても、それは当時書かれた文章の中のごく一部で、大半はカオスで謎の文章だったんだと思う。

つい100年くらいまえの手紙とかでも、わけわかんない文章あるじゃん

識字率が低くて、ほとんど代筆屋に書かせてたんだろうし、口語と文章の違いについて考えなかったんだろうな。

で、洋の東西ほぼ同時に、様式美の整理がAD200~800くらいか

韻律、構成(起承転結、起承鋪叙結、序破急)がほぼ完成。

テーマを持たせるという概念はまだなさげ

現代に生きる俺らからすると、「様式美うんぬんよりまずテーマだろ」って思うんだけど、ただ様式美をなぞるだけとか、逆にこの世の全てを一つの作品に落とし込もうとする無謀なことを20世紀初頭くらいまでやったりしてる。

でもあれか、恋愛小説ミステリーラノベも、テーマなんかないな。

多少パラメータスキームを変えて、同じ様式をなぞるだけだしな。

15~18世紀、この辺からか、普通に読めるのは。

西洋ルネッサンス以降、中国明代以降に書かれてれば、様式もよくしった形、テーマも設定されてるし、エンターテイメント性もバッチリ

風刺目的だったりするわけで、権力者に楯突く手段としての文学ってことでなんか気合が違うわな。

19世紀、国家間の相互作用社会変革が目まぐるしくなったせいかな?

この時代はまた世界の全てを一つの作品に落とし込もうとする無謀なことばかりやってた気がする。

正義とは、悪とは、平和とは、愛とは、悲哀とは!みたいな。

でも頭冷やしてストーリーを整理してみると、ただの不倫の話じゃね?っという。

ヨーロッパ人の娼婦好き、人妻好き、年上好きは異常。

"モノガタリ"としての完成度は19世紀末から20世紀初頭が一番だったんじゃないだろうか。

20世紀以降は、既に固まった様式美から脱皮しようとする動きで、後退したり前進したり、多方向に向かってるけど、一つのピークは19世紀末だと思う。

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