2011-10-23

太陽を受け止められなかった男の話

中1のとき、同じクラスの中に自分に色々おせっかいを焼いてくれる女の子(以後A子とする)がいた。明るくて運動ができて

勉強ができる子だった。彼女背中には太陽がある気がした。すごくいい子で尊敬しているし、当時のことは感謝してる。

中2に入ったか入らないときに、友達から「A子はおまえのことが好きだ」と何度も囃された。彼女自分に声を

かける様子を見て、そう推測したんだろう。自分はそれは違うと思った。

実は自分は障害持ちで授業中など何かと困ることがあり、そういう立場から色々世話をしてくれたと思うのだ。

あいつは好きだからとかそういうんじゃなくて、目の届く親切な人だからそうするんであって、恋愛とかそういんじゃないよ」

そんなニュアンスで返事した。

ある日、土曜日の授業の終わった午後、弁当を食べて廊下に出て窓を見て「さぁ部活に行くか」と頭で一人心地もの思いに耽ってたら

廊下の向こうからA子がこっちに向かって走り出してきた。

開口一番、

「○○くん(自分名前)、私のことが好きってほんと!?

廊下の向こう側にA子が自分に好意を持ってるって囃したてた当の友達がいた。後から考えるとどうも友達がA子に「○○はA子が好き」というのを

話して、話した直後、A子が自分にそれを直接確認しにきたらしい。

「ち、ちがうよ。周りがそう囃したててるだけだよ!」

あわててそう返事した。自分運動音痴で当時いじめられていたし、彼女釣り合いが取れないと感じていた。

とにかくA子が自分を好きなはずがない。

そう返事したら、彼女は走り出してきた廊下をそのまま戻って歩いていった。

しょんぼりした彼女背中を初めて見た。

その姿を見て、友達が言ったことは正しかったんだと知った。

なにより釣り合いが取れない云々は関係なくて、自分には彼女の気持ちに自分の気持ちで対向する勇気がなかったのだ。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん