ブラック・スワンって言いたいだけじゃないかと言われそうだけど、まあ聞いて欲しい。
むかし西洋では、白鳥と言えば白いものと決まっていた。そのことを疑う者など一人もいなかった。ところがオーストラリア大陸の発見によって、かの地には黒い白鳥がいることがわかった。白鳥は白いという常識は、この新しい発見によって覆ってしまった。
「ブラック・スワン」とは、この逸話に由来する。つまり、ほとんどありえない事象、誰も予想しなかった事象の意味である。タレブによれば、「ブラック・スワン」には三つの特徴がある。一つは予測できないこと。二つ目は非常に強いインパクトをもたらすこと。そして三つ目は、いったん起きてしまうと、いかにもそれらしい説明がなされ、実際よりも偶然には見えなくなったり、最初からわかっていたような気にさせられたりすることだ。
(ナシーム・ニコラス・タレブ著 「ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質」 内容紹介より)
現在進行している大震災について、このブラック・スワンみたいな考え方で捉えるのが良いと思った。
この考え方は、今何が起きているのかを把握するときの根っこになる。
そして現状認識が出来てはじめて、今後起こりえるワーストケースについて考えることが出来る。
結局、漠然とした不安を解消するには、こうやって覚悟をきめていくしかないよね。