さまざまな人種が入り乱れる中、俺は図書室で一人で本を読むのが日課だった。
しかも少し前から気になっていたアジア人の女性へのデートの誘いを断られ、憂鬱になっていた。
だが図書室に行くのも気が重かった。なぜなら、とある一人のせいで、俺はゆっくり本を読めない。
髪の長い、ちょっと太った黒人の女の子。毎回といっていいほどよく俺に話しかけてくる。
図書館に行くたびに居る。俺を見るなり隣に座って、話を一方的に始める。邪険にもできず、俺は流される。
なんなんだ?こいつは俺に気があるのか?とちょっと思い始めた。
だが、相手は・・。俺は人種差別をするわけではないが、黒人の女の子はどうしても受け付けない。
話したいこともないし、可愛いとはお世辞にも言えない。背は俺より大きいし、黒々とした唇や顔に魅力を感じられない。
今日もあいつはいるのだろうか。やだな。悪いけど俺は君とは・・・・・・・
その時、パズルピースが頭の中で嵌った。恐ろしくも、当然の納得がいくことに気がついた。
仲良くなろうと、きっかけがあれば積極的に話しかけていたとき。
目が合ったら、なんとか印象を残そうと、微笑んだとき。
あの子は、俺と同じような感情だったんだろう。
迷惑。うっとおしい。早く消えてほしい。別の世界の人種なんだから。
俺は苦笑いを返して断った。彼女はちょっと残念そうな表情を、黒い肌の顔に浮かべた。
それ以来、会話もなくなった。
もげろ
つhttp://d.hatena.ne.jp/fta7/20101219/1292768611 じゃあいい男になるまで女に話しかけない! とか思わないように。