2009-02-06

中国の次の爆発点は5月4日6月4日

 旧正月が明けた。田舎から都会へ戻って、やっぱり予想通りだった。会社はつぶれていたのだ。

 とりわけ沿岸部の輸出基地

 もう一つの悲惨な現場建設現場サブコントラクター(下請け、孫請け企業)に働く労働者の夥しい群れ。

 不払い賃金を要求しようにも経営者はいない。典型的ケースでは、偽装倒産して、違う会社名に代わっていて「前の半分の給料なら雇ってやる」。

 ▲次の爆発点は5月4日6月4日

 英誌『エコノミスト』(09年1月31日号)の数字でも新卒大学生の65万人(全体で550万)に就労チャンスがなく、「中国共産党は、今年は5月4日が五四運動90周年、6月4日は天安門事件20周年と『厳戒態勢』を強いて臨むが社会不安はおさまるまい」。

 温家宝首相大学へ出かけていって学生に言った。

「君たちは心配だろうが、私はもっと心配しているのだ」

 河北省石家庄は毒入り餃子悪名をとどろかせたが、毛皮、皮革製品ならびに花火生産でも有名。

 北京からクルマで四時間の距離。

 石家庄の中小企業の多くは旧正月より貳ヶ月も早く従業員に休暇を取らせ、付近の農村に返した。

 輸出の落ち込みで大不況を感得してきた従業の多くは旧正月が明けても戻っていない。

 同様に、中国全土で都会に出稼ぎにでる農民の数は、およそ二億人と見積もられ、この内の少なく見積もっても10%は職がない。

 たしかにSARS騒ぎのときも地方からの出稼ぎは故郷へ強制的に帰されたし、北京五輪のおりも同様な措置が執られたが、いずれも数週間の措置だった。

 ▲特筆すべきは、国有企業退職者ならびに中間層の反乱である。

 天安門事件以後、学生の反乱を取り締まり、法輪功など新興宗教ならびに民主諸派の同行を気にしてきた中国公安も、今度ばかりは勝手が違う。

 第一は国有企業リストラ組には年金住宅が保障されてきたため、取り立てて強い党への不満はなかった。それが国有企業が被買収の脅威に晒され、これまでの優遇措置がハズされそうな懸念の広がり。

 第二に外国企業、とりわけ華僑資本メーカーに働いてきたホワイトカラーという「中間層」は、その収入増によって余裕資金を株式投資不動産投資にまわした。

不動産株式も07年第三四半期から突然崩れ去り、雇用も喪われると、そこはことなく支持してきた共産党への不振が拡大する。

 第三に散発的だったブルーカラーの反乱が本格化し、頻発し、大規模になり、この列に学生が加わると治安の維持が難しいばかりか、あまつさえ退職警官退役軍人が、社会擾乱に加われば手がつけられなくなるだろう。

 あくまでも中国共産党の関心事は独裁体制の維持、党の恒久的支配が目標であり、それ以外の関心度は薄い。

 米国中国観察で有力なシンクタンク「ジェイムズタウン財団」が発行する『チャイナブリーフ』(09年2月4日号)によれば、失業の実態は下記の通り。

 

企業タイプ別        レイオフ

~~~~~~      ~~~~~~~~~

輸出機軸企業       6・5%-9%

中小企業         5% -10%

建設企業         5・5%-11%

=======================

合計          17-30%

 この結果、中国の公式発表である『失業』は2000万人だが、実態は3000万人だろうと、前傾報告のピーターベテリエは言う。筆者はかねて推測してきたようにGDP13%(07年)から4・8%(09年第一四半期推定)で4100万の失業があると踏んでいる(根拠はGDP1%減ると、中国では500万人が失業する)。

 大変な事態がすでに中国を襲っている。

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