上手い。
本の帯で隠れるところにマヨネーズ置いてタマゴの見え方が変わるところはもちろんだが、もちづきさん本人が上手い。
髪のボサつき、服のだるだる加減。ダメな奴、限界奴だとうっすらそれとなく伝える匙加減の巧みさ。あくまでも本人の顔は笑顔にしつつ、背後は殺風景。さりげなく、しかし物言いたげな余白の雄弁ぶり。
この作家は怖い。まじで怖い。俺はもう絶対中身は読まないが読者をキャッキャ言わせながらいつの間にか暗いところへ引きずり込む画の力をたぶんこいつは持っている。
石田徹也みたいなタイプの怖さ。本人の自覚以上に己の臭気や瘴気を筆に乗せてしまえる奴。長期の危機に瀕したことのあるやつの仕業だ。笑ってる場合じゃねーぞ。