弾丸もタンクも剣も、一時の野営で草枕となりますが、そう言えるほどの余裕があるなら、トラウトマン和平工作を妨害するような人物を首相にするのはなぜ許されたのか、その最悪の人事に直面すべきです。鳴くな、草の虫たちよ。東洋の平和のためには、日本人はどんな犠牲も惜しまないという心持ちだったのでしょう。
夢に現れた父上に、タヒんで帰るよう励まされたとありますが、父上が指摘すべき点は、昭和のお役所仕事がいつの間にか戦争へとズルズルと進んでしまったこと。
昭和時代の官僚主義により、対米開戦を避けることができなかったのは、日本人の弱点でした。戦争に身を投じる者は、常に覚悟を決めています。もし余裕があれば、尾崎やゾルゲを早期に排除し、トラウトマンの和平工作を成功させるべきだったかもしれません。