2024-08-03

電車で寝過ごしたら降りた駅から花火が見えた

自宅最寄り駅の手前、各駅停車に乗り換えていつも通りの帰路についていた

今日は偶然にも車内が空いている。連日の疲れからか、気づいたときには僕は目を閉じていた。

ドアの閉まる音。駅のアナウンス。なんとなくいつもとは違う音の違和感が、僕の意識を次第に鮮明にさせた。

なんてことだ。2駅も乗り過ごしている。

慌てて降りたがそこは定期券範囲外。

なんてことはない。何事もなく反対側ホームへ行き、引き返せばいいんだ。

しかし、それには人の流れに逆らわなければならない。僕は周囲の目が気になって駅の改札をと通過してしまった。

クソクソクソ。疲れてるし眠いし腹も痛いし喉も乾いた。最悪だ。

僕は若干自暴自棄になり、帰路につくであろう人の流れに飲み込まれて駅を出てしまった。

我を忘れて歩いていると

ドッカーン花火

都会のうっすらと明るい空が一瞬で真っ暗になって強烈な閃光が目に入り込んだ。

偶然の花火との出会いは、どの時だけは必然みたいに感じた。

花火を見たのは何年ぶりだろう。

部屋の中から聞くだけだったあの音の正体は今、眼の前にある。

かに香る硝煙の匂い

その時だけ僕は、運命なんて言葉ちょっとだけ信じてみようと思った。

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