1巻はべらぼうに素晴らしかったが老いた荒木飛呂彦のことだからそろそろダレるに違いないと警戒して読んでみるとこれがなかなか悪くなかった。ドラゴナのダメージは早期退場のあり得るタイミングだったため一瞬ヒヤリとさせられたし、ファンファンファン戦のようにリズムのためだけに置かれた捨て戦かと思いきや「こいつを仲間にしよう」ときたのは正直虚をつかれた。それを言い出したのがパコだというのも良い。露伴の別荘ではほとんど無能だったが一転年長者の存在感を示している。腕時計が一見無関係のつながりを辿って溶岩の持ち主のところへ戻る、という仕掛けは前作や最近の掌編でもみられる荒木飛呂彦の関心でこれを掘り進めようとする意図がしっかり見えて良い。溶岩は石仮面や岩生物の一種で、その超常的に思える生態と出自の両面に荒木飛呂彦の目は向けられていたようで、興味をそそられる。スタンドは相変わらずすべて非人間型で、今のところは一話で開陳した方針がまだ行き届いていることを感じる。