格闘漫画で力士の俊敏さみたいな話はよく出るけど、まあ言うてもでしょ、くらいに思ってた。図体が特に横方向にでかい人間が素早く動くのはまるで想像できない。
佐山は中に筋肉が詰まってるにせよ、ただのデブに見えた。その身体で偉そうな事言えるんかい、と思った。
生徒に痺れを切らした佐山が、手本で蹴りを見せた。キレが生徒のそれと全く違った。受けた側も芯まで食らってたように見えた。「腰を閉じろ」という意味不明に思える指示も、確かに一瞬で振り抜かれる隙のなさはそう表現できるかもしれない。
理解はさておき、納得においてはやはりフィクションや言葉、論理の説得力は一見に如かないという事もあるんだなって思った。
何かの不運で図体のデカい輩に町中で絡まれても、取り合わずに逃げればなんとかなるやろwとか思っていたが、まずは平謝りを試みた方が良いのかもしれない。