抑え込んだ気持ちは一体どこに行くのだろう。
そういう時、胸が苦しくなる。痛くなって、息が浅くなって、ぐっと縮こまって耐えようとするほど、胸が苦しくなる。
そうなってしまったら、あとはその苦しみが引くまでをひたすらに待って、おさまると、「ああ、治った。健康って素晴らしい」なんて思ったりする。
親とか、友達とか、恋人とか、身近な人のちょっとした一言にぐさりと刺された気分になることが、私には多すぎると思う。
自分の気持ちを伝えたくても、話そうとすると涙が出そうになるから言えなくて、それでまた胸が苦しくなるような悪循環の中で、やっぱり耐えることしか私には方法が見つからなかった。
知ろうとしていないだけかもしれない。でも知りに行く場所もない。
こうやって抑え込んできた気持ちが積もるたびに、自分が何者なのかわからなくなって、そのたびに自分という人間が散らばって、そこかしこにちょっとずついるような感覚になる。
今抱えているぐちゃぐちゃな気持ちは決してなくなるわけはないのに、普段はきっちり鳴りを潜めて、最初からあるはずなかったような顔をしている。
それが堪らなく怖い。消化できない気持ちを爆弾みたいに抱えて生きることの怖さを、誰が認めてくれるのかも私は知らない。
そんな風に出来上がった自分という存在をなかったことにしたくて、もう今持っているものも何もかも投げ捨てて、どこか遠くへ行きたくなる。
私のことを誰も知らないところに行きたい。
胸が苦しい。