入口で独り客であることを告げると、一人席に案内された。両サイドはパーテーションで区切られている。
店員が軽く説明し、メニューと、トングや箸が一式入った箱と注文用のiPadなどを置いていった。
底が三分割されている皿があったのでこれは何かと尋ねるとタレを入れるんだそうな。
なぜ3つに分かれているかは聞きそびれた。
iPadで最初の肉と標準サイズのごはんを注文すると、退屈するまもなく席に運ばれてきた。
独りで行動することには慣れているが独り焼き肉ははじめてだった。
肉を1枚1枚焼いて、食う。
焼いてる時間を待っている間は虚無だ。
それを繰り返す。ちょっとした修行というか儀式のようにも感じはじめていた。
しかも肉とご飯のペースをうまく配分しようとしたつもりが失敗し、けっこう残ってしまった。
ご飯を残すのは俺のポリシーに反するが、もうおなかいっぱいで肉を頼む気にならなかったので
冷たいご飯だけを食べた。