いつも朝に乗るバス停。
バス停は一つなのだが、来るバスが高校行きと工業団地行きの2種類ある。
だから、列は高校行きと工業団地行きで二列になるのが望ましい。
しかし時々それを知らない団地組が、高校生の後ろに並ぶことがある。
すると、後から来た団地組もその後ろに並ぶので、超長い一列になってしまう。
多分、100人くらい並んでる。
イベントかと思うくらいの長蛇の列だ。
俺はこれを防ぎたいので、早めに家を出て、率先して団地組の先頭として、高校生の隣に立つ。
俺の後ろに誰も並ばなかったら・・・。
俺だけ一人ぽつんと変なところに立ってることになる。
今日、それが起きた。
ふと不安になって後ろを振り返ると、俺の後ろに誰も並んでいない。
できたのは、1人と99人の列。
列?俺は1人だから、列ではない。
単に列から離れた変なやつ。
冷や汗が出てきた。
しばらくして、高校のバスが来た。高校生がぞろぞろと乗り込んでいく。
すると、高校生がいなくなった途端、残った団地組の全員が、俺の後ろに並び始めた。
なんだこれ、さっきまで敵だった人間がいきなり味方になったようだ。
俺の中で「工業団地のみんなが仲間に加わった!」のメッセージが流れる。
そして団地行きのバスが来て、俺を先頭にバスへ乗り込んでいく。
完全にドラクエの動き。
俺は恐怖に打ち勝ち、勇者となったのだ。
そして、団地組の先頭に立っている奴を、心の中で讃えようと思う。
もうバス会社と行政に言ってバス停二つにしてもらいなよ 運用年数が長かったらいける