好意というのは向けられるだけお得でありその人の徳を示す、という価値観が一世代前のであった。
確かに考えてみれば、好意すら向けられない虫けらのような人生よりもそちらのほうが遥かに良い。
だが世の中がより豊かになり、好意を向けられぬ虫けらの人権が尊いという価値観が広まるにつれ、
もはや好意というのは向けられれば無条件の喜びを得られる概念ではなくなってきたのが今の時代。
害意なく純粋にその人を好きになるだけで人を傷つけるという論理が成立する世の中になったのだ。
その人を好きになっただけでも、相手とお前との関係次第で純粋性が阻却されて害意が認定される。
可愛い、キレイ、美しい、守りたい、助けたい、力になりたい、求めたい、その全ては暴力なのだ。
この世のあらゆるものは暴力だぞ。 暴力こそ正義、暴力こそ美だ。