同級生(男)は、魔性の女に振り回されてるんだ…と困ったような、でも嬉しいような顔をして話してた。
たしかに彼女は魔性の女なんだよね、高校のときから。場の雰囲気を自分のものにするのがめちゃめちゃ上手いし。
ケラケラ笑って、ちょっと真剣な顔をしたと思ったらどっか行っちゃうし、と思ったらじゃれてくる。
でも私は昔から、彼女と話してるとなんか怖い。彼女の話には身がないというか、本当のことを話してくれてるような気がしないんだよね。ふわふわしすぎているというか。
普通誰かに何か話すときって何かしら意図があると思うけど(楽しさを伝えたいとか、共感してほしいとか、もっと深く知りたいとか)、彼女の話にはそういうにおいが一切しなくて、その言葉がなぜ発せられてるのか理解できない。
同級生(男)は怖くないんだろうか。
恩田陸の小説にそんなのがあったな